その修理、安心してまかせられますか?
近年非常に多い、不適切(手抜き)修理事例をご紹介いたします。
こちらのお車。
先日修理でお預かりしましたが、つい先日にも大きめの事故を起こされてフロント廻りを修理されたと伺いましたが…
バンパーやヘッドライト、フェンダーを外したところです。
部品を外すと、前回の修理がすぐ悪質な手抜きがされた不完全修理車だと分かりました。
正直 “またか…” です
内板骨格部位の曲がりや、鋼板の破れなどがそのままに。組み付けしたら見えないところなので手抜きしたのでしょう。
↑こちらは見えるところなので、塗装してありました。(しかしスポット溶接で付けるべきところを、ミグ溶接でベタ付して下手な仕事がされています)2枚目、三枚目は裏側で組み付けしたら隠れて見えなくなる所なのでやはり防錆も塗装もされず…
フレームがゆがんだままちゃんと直ってないので、見るからに左右のサスペンションの取付も異常。
まともにまっすぐ走ってたか分からない状態なので、当然バンパーやヘッドライトもきちんと付くはずもなく、取付穴をふかしたり、溶接取付位置をずらして溶接されていたり酷い状態でした。フード裏側のヘミング部分には防水の為必要なシーリングもされてませんでした。
極めつけは、フレームの歪みが修正されてないまま組み付けされていたので、部品の取付位置とボルト穴の位置があわず、結果ボルト締めもされていない有様でした。
この度の修理では出来る限りの範囲で再修正させて頂き、お客様に内容を案内させて頂きお返ししましたが、話を聞くと前回の修理では、保険会社の指定工場で修理されたとの事らしいです。本当であれば保険会社から認定をうけうる一定の設備を備えている工場のはず…
では何故こういった事がおこるのでしょうか??
多くの理由があります。工賃レート(単価)の問題、各保険会社が通用する見積もり方式やルールの問題…
ただ詳しくは言えませんが、工場によっては保険会社と指定工場の関係性上このようなことが起きうる要因があります。
安ければいいという事です。また、安ければそれなりの修理しかせずに済ませて利益を出そうとします。手抜きをすれば、そこにかかるコストを省ける、この度の事案はおそらくそういうことです。
同じ保険料を払って修理しても、これではお客様がとても可哀想です。
同業としても、とても残念だし、お客様のお車を扱うことに誠実ではなく不利益を与え、こういった工場があるから真面目にお客様のお車の為に頑張っている修理工場の地位を落とし足を引っ張っている工場があるのに怒りさえ覚えます。
ただ、近年非常にこういった事案多いです。(また後日第二弾を上げようと思いますが)
○○会社指定工場とか実績○○件などいくら謳っても、仕事を受注するのに長けてても、鈑金塗装のプロの仕事ではないです。
いくら良い設備があってもそれを扱うのは人間ですし、技術的なものが求められる作業は、最新の機械でもやはり熟練した人間の手作業には到底かないません。サービス業の精神でお客様に寄り添えるのも最新の機械では出来るはずもありません。
車はこんなにも生活の必需品として毎日使う生活の一部でとても身近な物なのに、修理や整備の事になると一般の方には不透明な事が多すぎて分からないことだらけだと思います。
しっかりとした見積もりと、車の鈑金塗装の知識を持った修理工場を、ユーザー様一人一人が情報を得て信頼できる人(修理工場)を選んで自身のお車の価値を損なわない様にしていかなければならない時代だと思います。